日本と独逸の工業製品を比較する
お茶の水の、楽器屋に、買い物にいったところ、ショーケースの中に
みょうなオーラを放つ中古トランペットがあるのを発見しました。
今はもう、管楽器から手を引いたKAWAIの隠れた名器「KTR-957」
です。これは、実はドイツのB&S社のOEMで、新品で15万は下らな
い高級機「B&Sチャレンジャー」であります。

店員に「こ、これ吹けますか?」と頼んで、吹いてみました。
たしかに、軽く吹くだけで図太い中低音がでて、高級感があります。
B&Sチャレンジャーが、36,800円という価格は、間違いなく安いの
ですが、そう何本もトランペット持ってても・・・と思い、その日は
帰りました。しかし、気になってしようがなく、再度試奏しました。

けっこう、買う気まんまんだったのですが、改めて冷静に「扶桑歌」
の前奏部分を吹いてみると、そんなに画期的なすごい音が出ないので
あります。テクニックが無いのはともかく、もうちょっとすごい音が
でてもいいんではないかと、思いました。
限界に近い高音を多様するフレーズなので、難しいのは確かですが、
愛用中の、ニッカンインペリアルでも同程度の吹奏感で出せる気がし
たのであります。
ニッカンは、何十年も前にヤマハに吸収された古い管楽器メーカー
ですが、同社のフラッグシップモデル(でも、ヤマハで売られた際に
は中級機扱い)として、ごく一部で人気なのがインペリアルです。
なんとなく地金が薄くてすぐ凹むし、メッキもそれほど厚くないし、
現代の高級機とは比べるべくもない仕上げです。
B&Sの、妙に剛性感の高い堅牢な仕上げと比べたら、どっちが優れ
た楽器かは一目瞭然です。
なんといいますか、戦闘機にたとえるとBf109と零戦や一式戦隼の
ような感じでしょうか。
日本製にしては、故障も少なく、扱いやすいといわれているけど、
工業製品としての水準はたいしたもんではないのです。オイルは漏
れるし、剛性も低く、無理が効かない構造です。
しかし、なんとかギリギリ世界水準のモノをがんばってつくりまし
たという点は、評価したいとおもいます。
ニッカンインペリアルも、そういう楽器のような気がします。
使い方にもよりますが、小生としては、ニッカンインペリアルでも
10数万の高級機と比べ、それなりの満足度が得られることが判った
ので、KAWAI=B&Sを、買うのはおもいとどまったのであります。
おどろくほど、冷静ですね・・・。そうでもないですか?